ブラックシャドーの次はターコイズをレイアウト水槽で楽しみたい・・・
そんな贅沢な目標をそろそろかなえてみようではないか。
徐々に話題に上がる機会も増えてきたターコイズに対して自分はどのように向き合うのか?
そんなことを考えたシャドーファンも少なくないだろう。 刻々と色彩変化するターコイズの醍醐味は、飼育しなくては理解のしようもないだろう。
使用ソイル:Original ブリーダーズソイル(パウダー)



 
<赤系の有茎草と南米ウィローモスのレイアウト>

 
<白を基調としたターコイズは、レイアウト水槽でもよく目立つ>


<ブラックシャドーデビュー時の
ターコイズの認識>

 ブラックシャドーとレッドシャドーが日本に紹介された当時、台湾本国ではすでに出現していたターコイズシュリンプ。
ブラックシャドーの強烈なインパクトに話題騒然となり、ターコイズシュリンプに注目が集まりだしたのはそれからしばらくたった後、おそらくは1年後くらいからではなかっただろうか。

実のところ当時、ターコイズシュリンプ自体が副産物的、言ってしまえば“選別もれ”の対象とされていた感じすらあったといえる。
 これはレッドビーシュリンプを維持する際にスノーホワイトが出現した場合の、スノーホワイトに対してもつ意識に似ていたと考えるのが妥当だろう。
例によって、日本でもその流れは同様であり、ブラックシャドーより突発的に出現するターコイズシュリンプに対しての認識は“はずれ”感が漂っていたはずである。
ただし、その中でも色彩変化に富むターコイズシュリンプについて興味を持ち、魅力を感じ、追求の意欲を見せた方々の努力によって現在の注目種となった本品種は、現在のシャドーグループを考えるにおいてはずせない存在となったといえるだろう。

<シャドーグループとしてのターコイズの位置づけ>

 ターコイズシュリンプに関して市場の声は現在、品種の価値を含めて賛否両論である。それほどまでにビーシュリンプの考え方が大きかったのか。
おそらくビーシュリンプ界においてのスノーホワイトに対する認識がターコイズにまで影響しているということが考えられる。
たとえばブラックシャドーをビーシュリンプにたとえた場合、ブラックシャドーから出現したターコイズはまさにスノーホワイトのような位置づけとなり、ブラックシャドーの“純度”を落とすような存在と考えがちになる。
ターコイズ否定派としてはそこに最大の主張がある。
ただし、この考えを前に進める場合、スノーホワイトの影響を整理してとらえる必要がでてくるだろう。
ビーシュリンプやレッドビーシュリンプから出現するスノーホワイトは現在、出現すること=色抜け などの可能性がその血統で高まることが理由とされている。
スノーホワイト因子によりビーシュリンプの血統、系統維持において行き詰まることが多く、結果的に懸念される要因となっているのである。
このことをシャドーに転換した場合、ブラックシャドーの完成度を高めるにあたって、ターコイズの出現血統は、すなわちブラックシャドーの血統を阻害する因子が含まれていると定義付けねばならなくなる。
誤解を恐れず言えば、ターコイズの出現血統=ブラックシャドーの完成度低下血統 と考えるのが順当である。

 ここで話を終えてしまえばなんとも簡単であるが、シャドーグループがここまで奥深く、遺伝子についてもまだまだ解明してゆかねばならない品種として、上記の考えで安直に結論を下すのはあまりにも不安要素が多くある。
まずはターコイズが出現する血統がすなわち色抜けや繁殖阻害に本当につながっているのかどうかの判断が必要となるはずだ。
もう一方でブラックシャドーパンダやキングコングの白地部分に青が強く出る個体の賛否も関わってくるだろう。これに対してはブラックシャドーパンダの項目を読んでいただきたい。

 次にターコイズ認定派の見解としては、たとえスノーホワイト因子がターコイズ発生の起源だったとしても、この特異な色彩を放つシュリンプに感動したというのが実情となる。
より美しく、固定率に優れたすばらしい発色を持つターコイズ血統に向けての取り組みはビーシュリンプを含めたいろいろな品種追求となんら変わりなく、単純固定しやすいものでもない。(劣性遺伝の個体率の容易性を意味することではありません)
逆に言えば美しいターコイズが量産できる血統維持こそ、ブラックシャドー以上の難易度を必要とし、重宝されるかもしれないのである。
そして、今後のシュリンプブームをさらに加速させる出来事が起こるなら、このターコイズがもたらす特異な形質が一役買うことにつながるだろうと期待したい。
ターコイズシュリンプの存在に対して外道、邪道というなどして取り決めたい向きも、ターコイズを取り巻く難しい問題であるが、なにより完成度の高いターコイズシュリンプがたくさん泳いでいる光景を見ると、単純に鑑賞の魅力でかなう品種は少ないと思えるほど、青緑の発色美がターコイズシュリンプの魅力と存在価値でないかと考えてしまう。

今後、ターコイズはターコイズで極める道がある。でいいのではないだろうか?

<ターコイズの追求、魅力>
●色調とフルボディカラー

 ターコイズシュリンプの色調には大きく分けて2パターンあるように思える。一つは白の基調色にブルーグリーンの色素が練りこまれたように発色するミントグリーンタイプ。
もうひとつは表皮上層部に粒状発色を強く持つメタリックタイプ。前者では個体により、後にフルカラーになる個体も比較的多く、後者では頭部を筆頭に強烈な発色を齎す個体が印象的である。
もちろん両者の特徴を併せ持ったすばらしい個体も存在するし、そのような個体の量産ブリーダーにとっても当面の目標であるように思う。
ターコイズシュリンプは全般的に成長に従って、ブルーグリーンの発色が強まる傾向があり若個体ではホワイトの基調色が強く現れている個体でも後にすばらしいブルーグリーンを発色する個体も見受けられる。
幼体から強い発色を持つ個体にこだわるのもよし、最終的な発色で判断するもよし、ブリーダーの主観が問われるところであるだろう。いずれにしても深く、強い発色を全身に出す個体の血統維持が課題といえるだろう。
ただし、ターコイズファンの一部には黒ずむほどの深い色彩だけにとらわれず、ほどよい清涼感を持つフルカラーのターコイズシュリンプの血統を目指すというセンスあるシュリンプフリークも存在しており、ターコイズカテゴリーの方向性として今後の動向に注目したいものだ。
現に今年のAPSCでも色調を折り混ぜた出品とエントリーシートの説明が印象的な出場者もあり、ターコイズカテゴリーの印象的な事例であった。

●不完全な優劣性(Step1)

 「ターコイズどうしの交配でブラックシャドーが一部出現しています、純血ではないのでしょうか?」などという質問もある。一言で片付けるのが難しい質問である。
別の項目と重複してしまうかもしれないが、シャドーシュリンプ自体が異種間交雑種の品種であり、血統維持云々の前に遺伝的にもまだまだ不安定な生き物だということを前提に話を進めてゆく必要がある。
(これをいってしまえばシャドーに限らず従来の品種についても議論がはじまるかもしれない)
それらを踏まえたうえで上記の質問に対してはまず、ターコイズ=スノーホワイトと仮定して優性・劣性の法則を考えた場合、明らかにターコイズどうしの交配ではブラックシャドーは出現しないはずである。
ターコイズ(=スノーホワイト)では劣性同士の交配となるからいつもでもターコイズしか生まれない訳である。
しかし現実的にターコイズからブラックシャドーが生まれる例があるのなら、現段階で2つの説を考えるのがターコイズ遺伝について進歩できるきっかけになるかもしれないので取り上げてみよう。

 一つはシャドーグループでは他種より顕著に隔世遺伝が働きやすいということを前提とした考えからブラックシャドー返りが起こったという考え方。
そうすると、ターコイズ同士の交配に使った個体の両親のどちらかに、もしくはどちらにもブラックシャドーの親の影響が含まれていたと仮定すること。つまりその個体はブラックシャドーから出現したターコイズ個体であったということ。
もう一つの考え方は見た目にはターコイズシュリンプに写る個体でもブラックシャドーの因子をヘテロで所有している個体でであったと仮定すること。
通常ではこの考え方は、メンデルの法則に詳しい方からすると、ちゃんちゃらおかしい・・・と思われるはずである。
無理やりの「逆へテロ」みたいな感じとなるからである。
ヘテロという言葉の意味すらズレてきて難しい・・・。
しかしながらシャドーシュリンプの起源をタイガーシュリンプの遺伝子影響+として考えると話が変わってくるはずである。
たとえば遺伝子優劣として タイガー ≧ ビー > シャドー であるのは新種を目指して交配を繰り返されるマニアの方では経験済みのことで、例外はあるにしろ幹は間違っていないはずである。
(各々の個体に乗るスノー因子をはじめとした細かい部分は省略)

 例によって今話題!?のビーとシャドーのHYB交配でもそれは顕著で、単にF2での出現や元親との再交配における世代重ねによるシャドー比率の向上の例は、 タイガー ≧ ビー > シャドー の構図をより明確にしてくれる事例と捉えたい。(ここらへんはまた別項目にて取り上げます)
 さて次に進みます。
 次にスノーホワイト × ターコイズ(ブルー) を考えてみよう。
イメージ的にはスノーホワイトが勝ちそうである。実際交配してもスノーホワイトが出現してF1でターコイズのように見える個体は皆無に等しくなっている。
しかし成熟個体になると若干頬の部分に青みがのる個体も見受けられるから外見上の判断が難しい。
この個体に対しての意見として出てきそうなのが、「スノーホワイトにも見受けられる特徴だから関係ない」、という考えもあり、最終的に検証交配が必要となってくる。
(ここで言いたいのは前文の後天型で青緑の色調が強く発揮されるという裏づけの一環として取り上げた次第です。)
ただしターコイズにはシャドーから引き継いだタイガー因子が別の素子として働いているはずである。

 それでもスノーホワイトが前面(優性)に出てくるということはスノー因子が“ダブル”で存在している(揃っている)スノーホワイトがシングルしかスノー因子をもっていないターコイズに対しての優性となった結果、表現はスノーホワイトになった。・・・と考えるのが一般的なはずである。
嗜好の深い方はダブルのスノー側にもブラックとレッドビーの因子が関係・・・などとも追言したくなるコアなシュリンプフリークもいるかもしれない。
ここではその話、長くなるので省略しつつ、別に機会を設けたい。

 さて、前置きが長くなってしまったが、先ほどの「ターコイズ同士からブラックシャドー」を前述の事例に当てはめるとなんとなく想像できる方も出てくると思います。
品種や個体の価値を直結して考えたい方には酷な話になるかもしれないが、この件に関しても直結で良いとか悪いとか言う問題でなく、ターコイズどうしでターコイズだけの出現の血統は遺伝子構成が「揃っている」と捉えつつ、ブラックシャドーが出現してしまうターコイズ個体についても、ブラックシャドーから引き受けた濃い青緑の引き出しを効率よく行う結果、出現してきたブラックシャドーであり、ターコイズ自身の価値は変わらない・・・という考え方は双方一理あり!となってしまうだろう。
今後のターコイズに対する方向性、まだまだこれからといったところではないだろうか。

 今後ターコイズシュリンプがどんどん色濃く表現され、いろいろな品種との交配が反映されるなら、このような質問の延長線的な事柄が、より身近な問題として直面する気がしている。
ただでさえシャドーシュリンプだけでも混乱が多いのである、寝ている子を起こさないほうが良いような、さらに盛り上がるような・・・
今更ながら、ビーシュリンプの中にあった、もしくは直接タイガーシュリンプに影響したスノー因子がターコイズという表現を持ち、ここまでの発展をしたのは言うまでもありません。

●ブラックシャドーとの交配を「戻し交配」ととらえるのかどうか(Step2)

 他ページとのバランスを保つために割愛(爆)

●水質、コンディションによるターコイズの色彩変化について

 他ページとのバランスを保つために割愛(爆爆)

続編をお楽しみに!



<成長に伴う期待>

 1.2~1.5cmほどの若個体ではこのような色彩の個体が多いはずである。
ここから徐々に色彩変化を遂げ、劇的な色上がりを見せる個体に興奮してしまうのである。
もちろん、稚エビのころから出色の個体も存在し、こだわりをどのラインで保つのか、ということもターコイズ選別の醍醐味である。
ただし、栄養バランスや水質の変化によって白ベースが勝ってくる
ケースもあるので、即座の個体判断は謙遜したほうが良い場合もある。



<それぞれの”青”を目指して>

 選別交配の集大成! 
見事な発色をした個体である。
こんなやつがうじゃうじゃいる水槽を見ることができれば・・・
ヒゲや脚、そして手先などじっくり見ればみるほどターコイズの不思議さに取り込まれるはず。
肩肘張らずにこの品種が楽しめるような状況にはやくならないかと思う次第である。