当時あこがれであったブラックシャドーフルブラックのみが入る水草水槽。
ボルビティスやジャイアントモス、ブセファランドラなど葉の色調を合わせた水草をセレクト。
落ち着いた雰囲気とエビが観察しやすいレイアウトで飼育と鑑賞を両立しやすい。
使用ソイル:Original ブリーダーズソイル(パウダー)



 
 <陰性の水草のレイアウトに、ポイントでブセファランドラを植えた>

 
 <ウィローモスやボルビティスにフルブラックの光沢のある黒が映える>


<デビュー当時のフルブラックの位置づけ>

 シャドーシュリンプが日本に紹介された2009年当時、入手困難かつ高額であったのがこのフルブラックタイプである。
ビーシュリンプで馴染みのあるバンド模様を持つシャドー(パンダタイプ)よりも、特殊な模様をもつキングコングタイプは目に新しく、さらにこのフルブラックタイプはお目にかかれる機会が少なかった。
当時人気を二分したブラックダイヤモンドシュリンプと相まって、ソリッドブラックの高級感に多くのシュリンプファンが興味を持ちあこがれとなっていた。


 ビーシュリンプとタイガー系シュリンプによる何らかの関係によって、シャドーシュリンプが出現しただろうという説は現在だいぶ浸透してきた感があり、立証も必要とされる段階といえるだろう。
しかしながらその一方で、今となっては突然変異的に出現したシャドーシュリンプをどのように楽しんでゆくのかということが争点といえるかも知れない。
さて、当時の入荷を思い返すと、フルブラック個体の割合は非常に少なかったのを覚えている。
おそらく交配の進行状況を含めバンド系表現の割合が多く、キングコングタイプでも白の面積が少ない個体やフルブラックの個体はまだまだ少ないのが当時の状況であった。
希少性は流通価格を上昇させる結果、フルブラックが最高級という流れになったのである。

<交配・楽しみ>

 フルブラック個体のソリッド表現は、パンダタイプよりもキングコングタイプ同士の交配で出現率が上がり、フルブラックに近い表現を持つ個体を優先的に交配すると当然ではあるが、フルブラックの出現および固定率が向上することが明らかとなっている。 
シャドーの交配ではフルブラック(ソリッド因子)がバンド表現に対してシャドーを両親とした場合は優性になる・・・という考え方もできるはずである。

 フルブラックの魅力はなんといっても漆黒の迫力ではないだろうか。個体の状態や水質、交配されてきた過程などによってもその美しさは変化するから魅力が倍増である。
玉虫色に光る表皮、はたまた威圧感の出るマットブラックなど飼育者の好みによってもフルブラックに対する価値観は変わるだろう。
熟成期に入った2cm越えの個体はオスのシャープ感、メスのボリューム感は格別である。
尾鰭にのみ入るビーシュリンプから引き継いだ、エッジにはいるホワイトスポットが唯一のチェックポイントといえるだろう。
それも尾鰭の先のスポットすら消失する個体も極まれに存在する。
追求点としては漆黒に従い、脚部の黒乗りにこだわりたい。
選別を行い、フルブラックで満たした水槽を眺めるなんてなんとも贅沢である。その水槽で増えた個体の固定率にも注目して飼育したい。




<群れる ‐BlackShadow FullBlack-

 贅沢なフルブラックだけのブラックシャドー団子!
エサを取り合う光景はかなりの威圧感がある。
このギラつき感はマニアにはたまりません!
抱卵個体も混ざるなら、なぜかハラハラしてしまうのは飼育者の性だろうか・・・
賛否両論あるが、まれに出現する頭部にのみホワイトポイントが入る個体も、フルブラックの延長線として考えると新たな追求ができるかもしれない。



<ソリッドブラックに対しての探究心>

 フルブラックの個体では平均的に目の色が赤みを帯びている場合が多い。
タイガー系の因子がパンダよりも強いためにこの特徴が顕著に現れると考えてよいかどうか、今後の見解に注目したい。
下腹部までの色乗りや脚部の色乗りが血統維持の重要なポイントだといえる。
フルブラックの成長スピードの変化はレッドシャドーやターコイズが速く成長する環境と対極にあるケースもあり、品種がもつ素質についても興味深いといえる。
あくまでも現段階の話であり、世代がすすむにつれレッドビー同様、順応性も変化するだろう。