紅白の美しさに見慣れたレッドビーマニアに対しても”やる気”をそそりそうな可能性を秘めている。

ビーシュリンプ、シャドーシュリンプと同じく黒と
赤の基調色が存在する。ファンシータイガーは基本
的にビーシュリンプと同じ色調であるように思われる。


シュリンプの美しさを左右するそれぞれの部位に、
どのような表現を優先させるのか?
選別のキーになりそうである。


 現在のシュリンプマーケットを構築するメインラインナップとなっているのは間違いなくレッドビーシュリンプであるはず。
その歴史も然り、もはや十年以上と考えて良いだろう。
そして黒ビーもそれを助長する存在であったが、ヨーロッパから紹介されたブラックダイヤモンドを筆頭に、黒味を追求する姿勢が変化したのが数年前。

当時、タイガー系シュリンプ改良種の登場は現在の黒系シュリンプの人気に少なからず影響してきたと考える。
話は少しずれてしまうが、このタイガー系シュリンプ(ブラックダイヤ・ゴールデンアイシュリンプ)の新鮮味、スキャンダル性、そして地域が違うことによる水質の差はビーシュリンプ一辺倒であった数年前に衝撃的なほど趣向の選択肢を増す動向となった。
また、それらはその後にはじまるシャドーシュリンプブームの序章であったともいえるだろう。

奇しくもブラックダイヤ系のタイガーシュリンプがドイツ本国より紹介されるとほぼ同じく、台湾産のブラックシャドーが登場するなど、選択支の広がり、一時的なブームであるか否か・・・など、それらのシュリンプを所有しているキーパーの数よりも話題だけが先行したのも印象的な事例であった。

あれから多くの時間が経過し、ゲテモノ的な潮流を受けたと思われるシャドーシュリンプも現在ではレギュラーラインナップの一環として認められ、その艶をまとった美しい色彩は多くのシュリンプファンをレッドビーと同様につかむことができたと考えている。

そしてこれらの経験により、今後多く登場するであろう新しいパターンのシュリンプに対する期待は賛否両論・有象無象の中でシャドーシュリンプと同じ歴史を歩むのかもしれない。


わりとシャドーライクなクリアー感が美しいタイプ。
ボディー、頭部のフルスポット化を狙ってみるのも一考。

前置きが長くなってしまったが、今回紹介したいファンシータイガーもその一つであるのは揺るぎもない事実である。

ファンシータイガーシュリンプはご存知の方もおられるかもしれないが、APSC2010(アジアパシフィックシュリンプコンテスト)にてオープン部門の優勝となった品種である。

当時はまだこのシュリンプの魅力は数%ほどしか伝わっていなかったと認識しているが、このシュリンプがシュリンプコンテストに登場したときに、その色彩のパターンと今後の追及できる魅力の内包に期待が膨らんだことを覚えている。

このファンシータイガーを照準とする色彩パターンは、ご存知の通りビーシュリンプとタイガーシュリンプの双方が影響することにより、発生するパターンの一つを鍛錬したものである。
もちろん、現在流通しているシュリンプはたとえビーシュリンプであったとしても様々な交配過程や表面上は同じビーシュリンプであったとしても厳密にはその後の血統の変化なども含めて千差万別であるはず。
場合によってはシャドーシュリンプやタイガー系シュリンプ、それ以外のシュリンプの影響を保持した上でのビーシュリンプも存在しているはずである。

ファンシータイガーシュリンプも同様に、表現的に同じくも様々な交配過程や突発的な発生で生み出された個体も個人で楽しむホビーストの中で誕生しているとも言い換えられる。

シャドーシュリンプ登場の時期にも同じようなことがあったが、最終的に公にたいして、広く人気を得るきっかけをつくる第一人者はそれらが受け入れられるか否かも含めて勇気のいる行動に違いない。

日本を代表するレッドビーシュリンプであってもそれ以前に海外で発生していた可能性もゼロではないだろう。

モスラ的表現が印象的な個体。遺伝的な複雑性はかなりの深みに入るだろう。
ここからシャドー側の色調に移行する場合、ピントビーと品名が変わる。
あくまでも頭部のスポットに関係なく、こちらはファンシータイプに定義される。

魅力を共有し、追及を繰り返すことの重要性を歴史は教えてくれる。趣味としてシュリンプを楽しむ上でレッドビーシュリンプは我々のよい旅先案内人であるだろう。

つまり様々な発生過程がある中でのファンシータイガーシュリンプもレッドビーシュリンプを例とした追求姿勢でもって、1年後から、いやこれからでもシュリンプ飼育を始める方の魅力的な選択肢の一つとして君臨できる可能性を秘めていると言いたい。

ちなみにAPSC2010で受賞した製作者(出品者)であるドイツのミハエル・ナダル氏は、出品後に取り上げられるであろう話題に対しての返答をすでにもっていたことが印象深い。
話を短くまとめれば、彼のこだわりはこのパターンを生み出すことの奇抜性ではなく、ファンシータイガー的表現個体を獲得してからの固定率を含めた余白部分に対して時間をかけて確認・追求したことが理由の一つとして挙がるだろう。

<個体選びの参考例>
例)ファンシータイガーレッド・ブロードバンドスポットヘッドタイプ(仮)


頭部の表現・模様のパターンは千変万化。
白勝ちになるとレッドビー同様単一的になるがバランスよく整う場合にはピントビーで取り上げられることの多いスポッテッド
パターンが出現することも多い。頭部のスポットに胴部のゼブラストライプが組み合わされている個体など、選別する際の目標接待は多義にわたるはず。
タイガー因子が比較的強いため、脚部の色乗りはレッドビーのそれに比べて手ごわい傾向か。
それでも可能性は十分にあり、ボディを優先した選別を行うか、脚部に重点を置くかも悩みの種。
環境変化で脚の色は変動があるので、落ち着いた環境にしたうえで選別を行うことが肝。
現段階では難易度が非常に高いとされる赤の太ストライプ。
レッドストライプを太めに強調できれば白地とのバランスに優れ、レッドビーのファンであっても興味をそそられる個体が多くなるだろう。
ブロードバンドレッドサンダーの魅力も内包していると考えることも可能。
頭部と腹部の境界線の色素は追い込んでいくべき後々の課題か・・・こういった宿題の部分が残されているところもまた魅力。
ビーシュリンプと基本構成が似ている色素をもっているファンシータイガー。
選別交配や水質の変化で色彩が変わる場合もあり、このあたりもレッドビーと似ているだろう。
つまり血統を意識した改良・オリジナリティの追求枠が魅力的であるのだ。
将来的に厚塗りの個体では迫力が相当出ると思われる。

これ以上細かくこの話を説明しても品種の未来に対しては何の意味も持たないと考えるため割愛するが、魅力のアドバンテージを確保してからの出品であったことは紛れもない事実である。
(ちなみにF2で偶発的に獲得できるファンシー的個体を出品した・・・などではないし、APSC2010以前に出現を確認していた他のシュリンプキーパーが存在していたとしても歴史には歴史で・・・などと競り合っても最終的には意味がない・・・。)

ちなみにアドバンテージとはこの表現を持つシュリンプの“可能性と裏づけ”という意味である。
また、もしも日本で認められずに終わっていても、すぐさま他国のコンテストで脚光を浴び、それが前後していれば現在でもファンシータイガーを日本で楽しめる土俵はまだまだ先のことになっていたのかもしれない。
逆に言えば、日本では流行らずに他の国で盛り上がり、数年後に日本でも流行るのかもしれない・・・その場合は残念ですが。




先に白地の厚さ、面積を追求した後、その血統からストライプを乗せてゆくことも、足のりを含めて有効か・・・
10mm程度から大きくなるにつれ、後発型で色増ししてくる個体も非常に多い。この件に関しては選別のタイミングを迷わせる一例とも言えよう。
頭部と胸部にそれぞれ違う表現を魅せることも充分可能と思われる。

(シュリンプキーパーを辞めるときまでファンシー系シュリンプを楽しまないなら関係のない話になりますが、たとえばシャドーシュリンプ登場の当時にシャドーはオレはやらない・・・と考えていた方がその後に始めてしまった事例は多く存在し、理由はなんであれ未来を宣言してしまうのはあまりに危険と思うのですが・・・汗)

話をもどして、レッドビーシュリンプの観察眼、判断基準、色彩的なセンス、そしてタイガーシュリンプやシャドーシュリンプの台頭によってファンシータイガーの魅力に気づく投票者は日本人としてのシュリンプばか(失礼)を象徴する賞賛すべき人たちであった・・・と近い将来自信をもって証明したいものである。
それにはこのファンシータイガーシュリンプ、現在の予測を超えるすばらしい“個体群”にまで練り上げる必要がある。
“個体”は簡単、“個体群”とした意味をビーシュリンプファンならご理解いただけるだろう。

まずは現状ファンシータイガーについて想像されているイメージを払拭できる可能性がある個体の画像(今後の参考)などをご覧頂き、品種の航路につなげていただければ本望です。


数年後にはこのような個体であっても、”選別漏れ”と考えられてしまう
時代が来るのだろうか・・・

今よりさらにレスポンスが上がったことを確認できる数年後からスタートするか、その美しくしてゆく一環、その一人として参加することを狙うのか?も・・・

登場からすでに2年以上経過しているが、まだまだ始まったばかりのファンシータイガーシュリンプ。
あなたの繁殖力・選別センスが世間から熱いまなざしを受けることも・・・遠くはないかもしれない。


<Fancy Tiger "Snow White Type">

 ビーシュリンプ系の遺伝子を含有する以上、ソリッド因子
(スノーホワイト的)はファンシータイガーでも共通である。
・スノーホワイト(レッド)
・スノーホワイト(ブラック)
・ターコイズ
・レッドターコイズ
・ファンシースノー
など、同じくソリッドでありつつも裏にある遺伝子構造はそれぞれ違うものである。